2023.08.10
食用バラの品種紹介 ~サムライ編~
フランスで生まれたのに「サムライ」という品種名。なぜその名がつけられたのか。その理由からご紹介します。
このサムライは、赤いバラの代表作とされる品種で、観賞用として市場で最も流通している真っ赤なバラです。
とても分厚く丈夫な花びらと、その耐久性が評価され、フランスのバラの名門・メイアン社が日本人の「サムライ魂」に敬意を表し命名したと言われています。
なんだか嬉しいエピソードですよね。
ちなみにサムライの正式名称は「サムライ08」。
2008年に作出されたので、08は2008年を意味しているのかなぁと密かに思っています。
またこのバラは、フラワー・オブ・ザ・イヤー最優秀賞も受賞しており、バラを象徴する赤色でとにかく花の保ちが良い。
これは流通において非常に重要なポイントです。
食べられるバラの品質を長く保ち、鮮度の良い状態でパティシエやシェフにお届けできることや、見た目が王道の"バラ"とすぐにイメージできる鮮やかな赤色もニーズがあるのではないか、と考え栽培を決めました。
シャキシャキとした歯ごたえのある食感が特徴で、香りがほとんどない品種です。
香りがするバラの品種ほど、花弁が薄くデリケートな印象があります。
主に飾り付けとして、華やかな見た目で人々の心を魅了する『THE ROSE』のサムライは多くのパティスリーでご使用いただいています。
食用バラでも、見た目・味・日持ち・用途に対応すべく複数の品種をROSE LABOでは栽培をしています。
次の投稿ではオリジナル品種「24」を育てている理由をご紹介致します。
田中 綾華Tanaka Ayaka
ROSE LABO株式会社 代表取締役。1993年生まれ、東京都出身。大学を2年次に中退後、大阪の食用バラ農家にて修業。2015年に独立し「”食べられるバラ”を通して世界中の女性を美しく、健康に、幸せに」を理念にROSE LABO株式会社を設立。”食べられるバラ”の栽培、バラを配合した加工食品や化粧品などの商品開発、販売を行なう「6次産業」の農家として、講義、セミナー、なども行っている。2019年「マイナビ農業アワード」などで最優秀賞を受賞。